開発に関わる残地扱いの問題で市長から回答が届きました!

  • 2019.06.22 Saturday
  • 16:45

市の条例の抜け道と言われる

 

残地扱いの問題に関して、

 

松尾崇鎌倉市長から逆転の

 

回答文が届きましたので、

 

ここに報告いたします。


 

結論から言いますと、残地の開発について2年間待てという条例のペナルティを、今回の市側との話し合いで、購入者が受け入れる返事をしてくれたということです。


この問題に関しては、6月1日付けの私のブログに書きました。改めて主要部分を解説します。


〇「鎌倉市まちづくり条例」並びに「鎌倉市開発事業における手続き及び基準等に関する条例」の中味について


(1)中規模開発事業の位置付け

 

・土地の面積が300平方メートル以上500平方メートル未満の一定の開発事業を指します。

 

(2)特に土地の分割については2つの条例の適用になります。

 

・「まちづくり条例」では、残地扱いの土地について、隣接する区画の完了検査通知書あるいは検査済証の交付の日から2年を経過しないと開発できないとしています。


・「鎌倉市開発事業における手続及び基準等に関する条例」でも、残地については隣接する区画の完了検査通知書あるいは検査済証の交付の日から2年を経過しないと開発できないとしています。

 

〇私の自治会内で起きたケース


(1)横浜に本社がある『(株)ティーアールコーポレーション』という会社が、2つの宅地を購入しました。いずれも300平方メートル以上500平方メートル未満と条例が定める中規模開発事業に該当する土地でした。
   本来でしたら一団の土地として、「まちづくり条例」並びに「鎌倉市開発事業における手続き及び基準等に関する条例」の手続きを経るはずでした。しかし、2つの土地を別々に開発申請したため、手続きは2回に分けて行う形になりました。

 

(2)1つの土地は条例手続きに沿い、事業者は開発事業を進めました。こちらは2区画の土地を分譲しました。


もう1つの土地は、面積が442.34平方メートルでした。


本来ならこちらも中規模開発事業に該当し、条例の手続きを経ないと開発できません。


しかし、事業者は区画のうち142.90平方メートルの土地を残地とし、以下の文書を市長宛てに提出したのです。


「一団の土地において、その一部である面積298.87平方メートルを宅地利用しますが、残りの土地については、現状のまま利用する予定がありません。
   なお、今後この残地を土地利用する場合は、必要に応じて鎌倉市開発事業における手続き及び基準等に関する条例等鎌倉市の指示に従い必要な手続きを行います。
    また、当該地の所有権を移転する場合は、この報告内容について権利取得者に責任をもって継承します。

横浜市西区(以下略)
(株)ティーアールコーポレーション
代表取締役  溝入貞夫」

 

〇新たな土地購入者の出現について


(1)この残地を買いにご夫妻が見えました。私は、「検査済証発行から2年をおかないと家を建てられない土地です」と説明しました。それでもご夫妻は土地を購入しました。


(2)今年にはいり、ご夫妻と工事施工者が私の家に見えました。「子どもの学校の通学の問題もあり、2年を待たないで開発を認めてほしい」と告げました。私は鎌倉市役所を訪ね、市の対応を確認しました。そうしたところ市から次のような 文書が出ていることが判明しました。情報公開請求を経て出た文書は2通あり、こういう内容でした。


「〇鎌倉市長宛て報告書


   この宅地利用に関する土地所有者等は、隣接地の宅地利用に関する土地所有者等ではありません。(以下略)」


「〇鎌倉市都市調整課長ほかの名前がある決済文書


『伺い』
次のとおり、回答してよいでしょうか。


(回答内容)
本件事業計画は次の2点から開発事業条例手続き不要と判断し、その旨相談者に回答します。

 

(根拠1)
一団の土地において先行して相談された事業とは別事業であること。


(根拠2)
本事業計画は、土地利用面積が規制規模未満であること。」

 

   私はこの文書を見て驚き、急遽、市長宛てに文書を提出することにしました。内容は以下のとおりです。

 

「〇鎌倉市長への申し入れ(令和元年5月13日)

 

本来この土地は、442.34平方メートルの一団の土地の開発で残地扱いとする旨を事業者より申請されたものであり、現在の土地所有者も土地取得の際に『隣地の検査済証発行より2年間猶予をおかなければ開発できない』との告知を受け、土地を購入したと聞いております。
   今回、『別事業である』との理由で、開発をしてもよいとの鎌倉市の判断が出ておりますが、これは条例の網をくぐりぬけた脱法行為であります。」


  市にこの文書を出して自治会長として抗議した結果、改めて土地購入者と市側が話し合いの場を持つことになりました。しばらく待たされましたが、今般、冒頭に記した文書が市長から私宛てに出される事態になった次第です。

 

「〇鎌倉市長  松尾崇
(令和元年6月20日)

  

(前文略)

 

今回、当初、買主は計画地が残地であると認識せずに計画地を購入したものであるとの前提に基づき、開発事業条例の手続きを要さないものとして判断、回答したものですが、回答後、買主が計画地を購入する際に当該地が残地であることを認識していたという疑惑が生じたことから、買主から改めて事情を聴取したところ、買主は、計画地が残地であることを認識した上で購入していたことが判明しました。
   この内容を受け、本市としては、開発事業条例の手続きを不要とした回答を覆すことが同条例第4条第3項(それぞれの土地所有者が関連性がないこと、別事業であることなど)の規定上困難であるなか、条例の趣旨を達成するために、買主に対して、残地の土地利用を行わないよう指導を行ったところ、買主から次の内容の回答を得るに至りました。

 

(回答内容)

 

・先行して建築された2棟の建築物の全ての検査済証の交付日から2年を経過した令和2年3月1日以降に工事に着手する。(以下略)」


 
  結局、残地を購入したご夫妻は、隣接地の2棟の建物のうち後に建った建物に即して、この建物の検査済証が発行された日より2年を経てから、ご自分の建物を建てる工事に着手する趣旨の約束をしたことになります。ご夫妻には気の毒なことをしました。しかし、法令遵守の観点から、私は自治会長として筋を通すべきだと考えた次第です。


  私はこの市長からの文書を受け取りに、6月21日に市役所を訪れました。その際に都市調整課の次長から、私に直接会って話したいことがあると伝えられたため、別室に赴きました。


   都市景観部次長兼都市調整課長事務取扱の肩書きの古賀久貴氏は、こう私に告げました。

   
「条例に不備があるのは重々承知しています。現在見直し作業をしているところです。特に今回問題になった残地の取扱いとか、狭い道路の先にあるいわゆる旗竿の開発事業地の取扱いとか、検討しなければならない課題がいくつかあります。今回は市が一度条例の適用はないと返事をした件がひっくり返った形になり、大変ご迷惑をおかけしました。」

 

  私はこう返事をしました。


「自治会として問題視しているのは、開発事業で宅地が細かく分割され、住環境が悪化することです。条例では第一種低層住居専用地域に関して一区画の最低分割面積を165平方メートル(ただし書きで300平方メートル以上500平方メートル未満の土地の分割は150平方メートル)と定めています。今回の開発事業地は、442.34平方メートルでしたので本来ならば2区画しか分割できない場所でした。それが1つを残地扱いにすることで、3区画の開発ができたことになりました。地域としてはミニ開発で狭い土地に建物が並ぶことになり、やはり住環境の悪化を懸念せざるを得ません。そのために2年というペナルティを課していたのだと思います。しかし、今回のように元の事業者と違う方が土地を購入した場合に、このペナルティを課すべきかが問われたことになります。幸いなことにご夫妻が2年の間をおくことを了解していただいたからよいですが、このような法の抜け道をなくすためにも、是非条例を改正していただきたいと思います。」

 

   条例改正では、元の土地所有者が代替わりして別の者になっても、2年の間をおくというペナルティをきちんと課すという事柄を条文に明記するだけでなく、そもそも一団の土地では残地扱いを認めず、区画を分割する場合の最低面積を最初から確保するように条文に加えるなど、変えていただきたい項目がいくつかあります。そもそも一団の土地の開発で残地を設ける場合に、2年間開発できないとした意味は、(1)固定資産税を払い続けなければならないので、土地を早く売って換金したい業者にはつらいことになる(2)2年間待たされるなら分割数が少なくなっても街並みを守る開発をした方が良い……そう開発事業者に考え直させる意味合いがあったはずです。今回の事例は、最初に開発した業者が残地を第三者に売り逃げし、3分割しての利益を得た点に問題があります。いわばババ抜きのババのような形になったわけです。一番悪いのが最初の業者であるのは明白です。

次長によれば、もともと一団の土地を購入した(株)ティーアールコーポレーションに対しては、当初かなり厳しく指導を行い、法令遵守を伝えたとのことでした。  


    この問題は、以前のブログにも書いたとおり7月29日に開催される鎌倉東地区の自治会長と市長との「ふれあい地域懇談会」でも取り上げられることになっています。

 

   地域の住環境をいかに守るか、今回のケースは市の対応の急展開も含めて、いろいろ考えさせられる事例だったと言えるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

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