本庁舎等整備基本構想策定支援業務委託は市長の裁量権を逸脱しており違法!

  • 2019.07.12 Friday
  • 20:43

   鎌倉市長松尾崇を被告とした

 

裁判の続報をお伝えします。

 

    この7月8日に横浜地裁で第3回口頭弁論が開かれた「鎌倉市本庁舎等整備基本構想策定支援業務委託費差し止め並びに返還請求事件」がそれです。


   改めて内容を紹介します。鎌倉市民の新谷直人さんが、平成31年1月11日に横浜地裁に提訴しました。

 

 

「〇訴えの趣旨


  被告鎌倉市長は、鎌倉市本庁舎等整備基本構想策定支援業務委託にかかる金1499万400円を株式会社都市環境研究所に支払ってはならない。」(訴状より)

 

 

  途中で私が補助参加人として裁判に加わりました。裁判の趣旨に全面的に賛同したからです。

 

 

「〇原告側の主張


  地方自治法は第4条で、『地方公共団体は、その事務所の位置を定め又はこれを変更しようとするときは、条例でこれを定めなければならない』としているが、鎌倉市議会はまだ手続きをしておらず、市長が裁量権を逸脱して議会の合意なしに強引に進めており違法である。」(同)


 

  この件に関しては、新谷直人さんと私とで、平成30年11月8日に鎌倉市監査委員に対して住民監査請求を起こしました。平成30年12月10日付けで監査請求について、理由がないとして「却下」の通知を受け取ったため、まず新谷さんが提訴に踏み切ったものです。


平成31年4月15日付けで、被告の鎌倉市長側は原告の主張に対する次のような反論書を送ってきました。

 

 

「〇被告側の主張


   本件業務委託は庁舎等の移転の検討のために必要な業務委託であるから、庁舎位置条例の制定の前後を問題にすることはできない。また、仮に原告の主張どおりに庁舎位置条例改定前にそれを前提とした契約を行うことが違法であったとしても、無効となる理由もなく、本件業務委託を無効としなければならないほどの特段の事情もない。」(被告側準備書面1より)

 

 

 

   当初は新谷さん一人で裁判をやるつもりでしたが、原告が一人では市長相手に弱いとの声を受けて、補助参加人として途中から裁判に私も加わることになりました。私も監査請求を一緒に提起していますので、資格はあるとのことでした。裁判所に補助参加を認められた私は、令和元年5月10日付けで以下のような文書を提出しました。

 

 

「〇補助参加人の主張


   本件の違法性は5点ある。


(1)本件業務委託の仕様書は、対象地の地盤が軟弱であること、液状化の危険性があることに触れていない。
   平成23年度深沢地区事業化推進検討業務の報告書では、深沢地区6か所のボーリング調査で、N値10にも満たない軟弱地盤の存在が明らかになっている。

 

(2)本件業務委託の仕様書は、対象地が土壌汚染の危険性のある場所であることに触れていない。
    鎌倉市が平成28年1月から3月にかけて実施した深沢地域事業用地土壌汚染対策処理業務では、土壌汚染対策法に規定されている汚染物質のフッ素、六価クロム、水銀等が基準値を超えて検出されている。


(3)本件業務委託の仕様書は、対象地が洪水の危険地帯であることに触れていない。
   対象地は、特定都市河川浸水被害対策法で神奈川県が平成26年6月1日より適用流域に指定し、洪水の危険を回避する策を講ずることが義務化された。豪雨の際に対象地は、0.5から5メートルの浸水が及ぶと予想されている。


(4)本件業務委託には、住民との合意形成がなされていない。
    本庁舎等整備のような市民生活に重要な影響がある案件は、市民との合意形成がきわめて重要である。
    本件に関しては、住民投票で民意を聞くべきだとする8270名の署名が議会に提出されている。
   このことはいかに市民の側に本庁舎等整備への反対意見が多いかを示しており、本件業務委託は合意形成がない中でなされたと考えざるを得ない。


(5)本件業務委託の発注の前に市議会で、特別委員会等を設置して議論した経緯が全くない。本庁舎等整備に関する議論が議会でなされていない中で発注された業務委託は違法である。」(補助参加人の準備書面1より)

 

 

   7月8日の第3回口頭弁論に際して、被告の鎌倉市長側は準備書面2を提出してきました。補助参加人の主張にことごとく反論していますので、これも引用してみましょう。

 

 

「〇被告側の反論

 

 (1)平成24年3月の報告書のもととなった調査では、深沢地域整備事業用地内の6か所においてボーリング調査を行っている。そして、高層建築物を整備するにあたり想定される基礎の形式にまで触れており、高層建築は可能であるとしている。また、1か所を除き5か所では『液状化の可能性がない』と判定され、残り1か所については『液状化の可能性あり』と判定されている。ただし、この地点は、行政施設の予定用地からは最も遠い南西地域に位置している。


(2)深沢地域については、被告の調査により六価クロム化合物、水銀及びその化合物、フッ素及びその化合物による土壌汚染が判明し、平成27年12月に形質変更時届出地域の指定を受けることになったが、汚染除去等の土壌対策工事を行い、平成28年6月には、その指定が解除されるに至った。つまり、土壌汚染問題は、現段階では解消されている。


(3)平成30年1月に神奈川県が告示した『境川水系洪水浸水想定区域図』では、想定しうる最大規模の降雨(24時間積算雨量632弌砲両豺隋∈蚤膺賛綽0.5から3メートルとされている(5メートルではない)。ただし、洪水防御の計画を立案すべき基準となる基本高水の設定に用いる計画規模の降雨(24時間積算雨量302弌砲両豺腓任蓮⊃賛紊倭枋蠅気譴討い覆ぁ従って、同地域に公共用施設を移転しようとする計画策定が直ちに違法となるものではない。


(4)本庁舎等整備に関して、『広報かまくら』で市民に対する広報を行っているほか、ふれあい地域懇談会、市民対話、無作為抽出市民アンケート等、被告は、市民の合意形成のための努力を続けている。


(5)本件業務委託契約の締結について(中略)予算の承認決議を経ているのであるから、手続き的には議会の議論を経たものと評価されるものである。

被告は市役所本庁舎の移転について、議会に対して全く何もしていないわけではない。特別委員会を設置していないものの、平成29年3月及び同30年4月に議会全員協議会において報告を行っているほか、主として総務常任委員会において議論がなされ、市議会において、総務常任委員長から2度にわたり、総務常任委員会が行った所管事務調査における検討状況の報告がなされているし、本会議一般質問、総務常任委員会、予算等審査特別委員会などでも質疑がなされている。

平成30年11月には、本庁舎等整備にかかる住民投票条例の制定の議案が議会で議論されたが、否決されている。」(被告側準備書面2より)

 

 

   補助参加人の私は、第3回口頭弁論に際して、次の書面を用意しました。こちらも引用してみましょう。なお、市長側の書面の(3)で間違いとしている浸水の高さを5メートルまでとした私の準備書面1での主張は、柏尾川の近くの側では一部そうなると神奈川県が洪水浸水想定区域図で示しており、それを引用したものです。

 

 

「〇補助参加人のさらなる主張

 

(1)地方自治法第4条に定める特別多数議決は、重要案件に限り行うとしている。


(2)地方自治法では、9つの案件だけ特別多数議決を行うと定めている。
 

  主なものを掲げると、

a、地方公共団体の事務所の位置を定め又はこれを変更しようとするとき(出席議員の三分の二以上の同意 )

b、議会を秘密会で開催するとき(出席議員の三分の二以上の同意)

c、地方公共団体の長の不信任を議決するとき(議員の三分の二以上が出席し、四分の三以上の同意)

 など。くり返すが、きわめて重要な案件だけ、この特別多数議決が必要と定めているのである。


(3)なぜ、地方公共団体の事務所の位置を定める条例に関して特別多数議決を必要としているかと言えば、住民の合意形成が欠かせない案件だからである。これは、地方公共団体の事務所が多数の住民の利用に供する場所だからであり、移転等をする場合に甚大な経費がかかるからにほかならない。仮に否決された場合、本件の業務委託の予算は全く無駄なものとなってしまう。
    すなわち、特別多数議決をしていない段階で、本庁舎等整備の基本構想を策定する契約を被告が勝手に締結した行為は、裁量権の逸脱以外のなにものでもないと考える。」(補助参加人準備書面2より)

 

 

   第3回口頭弁論では、今年8月に本件業務委託費の支払いが行われる可能性があるため、被告側に支払いが実施された場合にすみやかに連絡を入れるよう裁判長から指示がありました。その場合、原告側は訴えの変更届けを提出する必要が生ずるため、次回期日を9月24日(火)午前10時30分からと定め、8月の市の支出手続きを見て、原告側の書類提出を行うこととなりました。補助参加人としても、被告側の準備書面2に対する反論を次回までに書面で出すことになりました。


   現在みなとみらい地区への市庁舎移転を計画している横浜市では、市役所の位置に関する条例の改正に関して、特別多数議決を早い段階で行い、平成26年9月25日に公布しています。鎌倉市が特別多数議決を先送りしていることは、問題だと私たちは考えています。裁判でどのような判断が出るか、注目したいと思います。

 

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