深沢地域整備事業用地の土壌汚染の資料を分析しています!(番外編)

  • 2019.08.12 Monday
  • 15:25

市役所移転予定地の南で


土壌汚染の対策処理中に


水銀が基準値を超えて、


大気の中より検出された


新事実をつかみました。



   ブログで3回にわたり、深沢地域整備事業用地における市有地の土壌汚染対策処理の内容を詳しく分析してきました。今回膨大な資料を読み解く中で、看過できない事実が新たにわかりました。そこで、番外編として、以下に公開された資料から大気汚染の事実を紹介したいと思います。

 

🔘大気浮遊物質測定


   市有地では、土壌汚染対策処理にあわせ、地下水の測定だけではなく、汚染土壌を掘削除去し、安全な土を埋め戻しする作業工程に沿って、大気浮遊物質の測定もしています。施工前、施工中、施工後に区分けして、大気浮遊物質を調査した結果をしるしてみましょう。

 

〇A用地


   泣塔の東側(測定地点 法▲皀離譟璽襪寮路沿い(地点◆法多目的グラウンドの南側(地点)、泣塔から柏尾川に向かう西側の中間部(地点ぁ法帖弔4箇所で大気浮遊物質の測定をしています。測定地点,鉢◆∧造咾豊は、市役所本庁舎移転予定地を囲む場所に位置しています。


a、   測定対象項目


総粉塵量、六価クロム化合物、水銀及びその化合物、ふっ素及びその化合物の4種です。


b、測定日


・施工前


平成28年1月8日


・施工中


平成28年2月8日


O2-4区画(=六価クロム検出地)、並びにP2-4区画(=ふっ素検出地)は掘削除去終了、O3-1区画(=六価クロム検出地)は掘削除去中の測定


・施工後


平成28年3月2日


c、測定結果


・総粉塵量


施工前、施工中、施工後とも、測定地点 銑い如1立方メートルあたり0.028mg〜0.15mgが検出されました。日本産業衛生学会がうたう許容濃度の「1立方メートルあたり2mg以下」をクリアしていました。


・六価クロム化合物


施工前、施工中、施工後とも、測定地点 銑い如1立方メートルあたり0.005μg(マイクログラム)〜0.049μgが検出されました。米国産業衛生専門会議(ACCIH-TWA)が示した参考基準の「1立方メートルあたり10μg以下」をクリアしています。


・ふっ素及びその化合物


施工前、施工中、施工後とも、測定地点 銑い如1立方メートルあたり、いずれも0.5μg未満でした。やはり米国産業衛生専門会議が示した参考基準の「1立方メートルあたり2.500μg以下」をクリアしています。


・水銀及びその化合物


施工前、施工後とも、測定地点 銑い如1立方メートルあたり0.004μg未満でした。

   ところが、施工中に測定地点で、1立方メートルあたり0.23μgが検出されたのです。


   国の中央環境審議会が答申した水銀及びその化合物の指針値は、「1立方メートルあたり0.04μg以下であること」としているのですから、指針値をはるかに超えた値が検出されたことになります。


    場所は、鎌倉市役所本庁舎を市長が将来移転したいと発表している場所のすぐ南側です。市の計画どおりに移転が進めば、将来多くの市民が訪れることになる場所で、水銀の異常値が大気中から検出されたのです。この事実は重大な問題をはらんでいます。


この異常値の検出に関しては、後段で詳しく検証したいと思います。


〇B用地


モノレールの深沢駅の西側に広がるB用地の北側の境界線上の左端が測定地点 ∋以の二ほど境界線上を右側へ動いた場所が測定地点◆南側の境界線上を深沢駅から三分の二ほど進んだ場所が測定地点ぁ駅から三分の一ほど進んた場所が測定地点になります。この4箇所で大気浮遊物質を測定しています。


a、測定対象項目


  総粉塵及び鉛の2種です。


b、測定日


・施工前


平成26年10月16日


・施工中


平成27年1月7日


・施工後


平成27年2月16日


c、測定結果


・総粉塵


施工前、施工中、施工後とも、測定地点 銑い如1立方メートルあたり15.1μg〜100μgが検出されています。日本産業衛生学会の示した参考基準は、「1立方メートルあたり2mg以下」です。これは2000μgになります。最大値でも100μgでしたので、基準をクリアしています。


・鉛


  施工前、施工中、施工後とも、測定地点 銑い箸癲1立方メートルあたり0.05μg未満でした。
   鉛の大気中の環境基準はありません。環境省が定める大気汚染に係る環境基準は、浮遊粒子状物質で「1時間の1日平均値が1立方メートルあたり0.10mg以下で、かつ1時間値が1立方メートルあたり0.20mg以下であること」とされています。


微小粒子状物質に関しては、「1年平均値が1立方メートルあたり15μg以下であり、かつ1日平均値が1立方メートルあたり35μg以下であること」とされています。鉛の大気汚染の環境基準はないものの、検出されたものは安全値であると考えます。


🔘水銀の異常値検出の検証


なぜ基準値を超えて、A用地で大気中から水銀が検出されたのでしょうか。以下に検証したいと思います。


平成28年4月19日に鎌倉市長に提出された「措置完了報告書」には、「施工中(O2-4、P2-5掘削除去終了、O3-1掘削除去中)の地点において水銀が参考基準(指針値)を超過した」との記述があります。


 さらに「報告書」の記述をそのまま引用してみます。




「水銀は、中央環境審議会『今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第七次答申)』(平成15年7月31日)において、水銀蒸気の長期暴露に係る指針値として『年平均値1立方メートルあたり0.04μg以下』が設定されているが、地点は指針値の5.75倍であった。施工前、施工後は定量下限値未満(1立方メートルあたり0.004μg)を示した。
   参考基準は年平均値であり、測定1日間(8:00〜1:700)の結果で、施工範囲の周辺環境について評価することはできないが、測定当日の状況について考察した。


(1)当日の施工内容


   測定当日の施工内容は、『単位区画O3-1の掘削除去』であった。O3-1は六価クロムの土壌溶出量が基準超過した単位区画であり、概況調査では水銀の土壌溶出量及び土壌含有量は定量下限値未満であった。
   また、水銀の土壌溶出量が基準超過した単位区画U5-1の掘削作業は未実施で、遮水シート+人工芝で被覆されていた。従って、地点の水銀が参考基準を超過した原因が、本対策工に起因するとは考えにくい。


(2)当日の風向

 

 測定当日の風向(常時監視局:藤沢市役所)を資料に収録する。測定時間内(8:00〜17:00)の風向は、午前が『北〜北東〜北北東』、午後が『東〜西南西〜東』を示し、一定の風向ではなかった。風速は1時間平均で最大1秒間あたり1.7メートルであり、軽風であった。


(3)まとめ


   上記(1)及び(2)より、地点の水銀が参考基準を超過した原因を特定することは出来ないが、施工前、施工後の結果が定量下限値未満であることから、地点周辺の水銀蒸気の発生にはバラツキがあるものと考えられる。」




   以上が「報告書」の記載ですが、市から委託を受けた株式会社アサノ大成基礎エンジニアリング建設事業部としても、かなり苦しい見解を示さざるを得なかったことがわかります。


   鎌倉市が発行する『深沢まちづくりニュース』第31号には、水銀が基準値を超過した件に関して、こんな記事が出ています。



「土壌汚染対策処理実施の際、対策処理の前・中・後で大気浮遊物質の測定を行ったところ、処理中の1地点から環境省が示す指針値を超過した水銀が確認されましたが、平成28年8月に環境省の大気汚染調査方法に則り、再度調査した結果、調査した4地点すべてで指針値以下でした。」


    手元にはこの平成28年8月の調査の資料はないので何とも言えないのですが、市としては、何かの間違いで大気中の水銀濃度が指針値を超過したと言いたいのでしょう。


   私は、水銀が大気中から異常な値で検出されたのは、計測間違いではないと考えます。


   前記したように、測定された場所は市役所本庁舎の移転予定地のすぐ南側です。A用地には、まだまだ水銀に汚染されている土壌がかなりあると言えるのではないでしょうか。でなければ、大気中から異常濃度の水銀が検出された事実の説明がつきません。


🔘調査は適正だったのか?


A用地の調査を請け負ったのは、ユーロフィン日本環境株式会社でした。江戸川区にある東京事業所が調査施工を請け負い、横浜市にある本社・事業所が分析を請け負いました。平成27年3月に出された「平成26年度深沢地域整備事業用地(A用地・C用地)土壌汚染状況調査業務委託報告書」によれば、次の段取りで汚染調査をしたとしています。


A用地では、地歴により旧国鉄大船工場時代に工場等とされる建物か存在していた箇所を「汚染土壌が存在するおそれが比較的多いと認められる土地」に区分。泣塔の周辺を「土壌汚染が存在するおそれがないと認められる土地」、それ以外を「汚染土壌が存在するおそれが少ない土地」と区分。


A用地内の「汚染土壌が存在するおそれが比較的多いと認められる土地」は、10メートルのメッシュ(格子)を線引きし、この10メートルの格子内で必ず1箇所ずつ土壌ガス並びに土壌調査の試料を採取しています。


一方、A用地で「土壌汚染が存在するおそれがないと認められる土地」の泣塔は調査から除外し、「汚染土壌が存在するおそれが少ないと認められる土地」に関しては、30メートルの格子の中で土壌ガスの試料は1箇所だけ試料を採取し、土壌調査の試料は30メートルの格子内で5箇所だけ採取しました。


B用地は、川崎市の株式会社環境管理センターが土壌調査を行いました。追加調査(深度調査)が発生し、こちらは、長野市の株式会社土木管理総合試験所の手で行われています。まず、地歴により旧工場棟が存在した場所を「土壌汚染が存在するおそれが比較的多いと認められる土地」として、10メートル区画単位の調査(10メートル格子に1箇所以上の土壌採取)を行い、それ以外の土地を「土壌汚染が存在するおそれが少ないと認められる土地」として30メートル格子単位の調査(30メートル格子に5箇所の土壌採取)を実施しています。B用地では、土壌ガスの採取は30メートル格子に1箇所ずつ実施しました。


最初の調査で30メートル格子で5箇所ずつ土壌採取したところで、溶出量の基準不適合が見つかった区画に関しては、追加の土壌調査を行うために10メートル格子で1箇所ずつの試料を採取してもいます。さらにB用地では、基準不適合が見つかった箇所では、溶出量、含有量の深度調査を10メートル格子で1箇所ずつ実施しています。


これらを見ると、「汚染土壌が存在するおそれが比較的多いと認められる土地」と「汚染土壌が存在するおそれが少ないと認められる土地」とでは、試料のサンプル数にかなり違いが出たことがわかります。


  このサンプルから漏れた土地に、高濃度の水銀が溶出していた可能性を否定できません。試料の調査に入らず、土壌の掘削除去もしない土がかなり残されたのです。当日は六価クロムの溶出した土(O3~1区画)の掘削除去の施工中でした。掘削除去した土は、第二種特定有害物質と種別される水銀やふっ素などの有害物質も溶出量調査をしていたはずです。ここからは、六価クロムだけが基準超過物質に計測されたのです。となると、試料採取がなかった周辺の土から水銀が大気中に漏れ出たのではないか、との疑いが生じます。


 


改めて土壌溶出量の調査を行うべきではないでしょうか。そう思います。汚染土壌の処理を4地区だけ(A用地内)で完了したとする市の姿勢を糾したい、そう考えています。

 

 

 

 

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