深沢地域整備事業の中味を問う裁判の行方

  • 2019.12.10 Tuesday
  • 21:12

 深沢地域整備事業の中味を


問う行政訴訟の行方に対し、


是非皆様注目し支援下さい。

 


   この11月27日(水)から12月26日(木)まで、鎌倉市まちづくり計画部深沢地域整備課では、「深沢地域整備事業の土地利用計画(素案)」へのパブリックコメントを市民から募集しています。裁判の紹介にはいる前に、この素案についてまず解説したいと思います。


🔘深沢地域整備事業の中味


  令和元年11月に出された素案は、5ページだてのものです。以下に抜粋して紹介します。


「(1)まちづくりの背景と目的


   鎌倉市では、鎌倉、大船、深沢……の3つの拠点が互いに影響し合い、本市全体で活力や鎌倉の魅力向上につながる土地利用を図ることとしています。

    本事業は、持続可能なまちづくりを牽引し、『働くまち鎌倉』『住みたい・住み続けたいまち鎌倉』の創造を目指しています。


(2)まちづくりの理念


   人もまちも共に健康で、持続可能なまちをつくり、『地域で愛され続けるまち』の構築を目指します。


(3)まちづくりのテーマ『ウェルネス』

 

  『深沢地域の新しいまちづくり基本計画』におけるまちづくりのテーマ『ウェルネス』のもと、修正土地利用計画(案)において、『まちづくりの理念』から『ウェルネス』の概念を『健康な心身を維持・発展させる生活行動』と定めました。

 

(4)まちの将来像3つの視点


〇『こころとからだの健康を育むまち』


   人々のこころとからだが健康になり、笑顔があふれるまちづくりを目指します。


〇『イノベーションを生み出すまち』


    JR東日本東海道本線の新駅の設置など交通結節点としてのポテンシャルを有する深沢地区の特徴、豊かな自然環境や人材を有する鎌倉の特徴を活かし、新たな価値、産業、技術を生み出すまちづくりを目指します。


〇『あらゆる人と環境にやさしいまち』


   SDGsの精神や、共生・共創の精神を醸成する環境を整えることで、持続可能で、災害に強い、多様な人々が安心して暮らせるまちづくりを目指します。


(5)土地利用の方針


a、『行政施設の方針』


   本庁舎、消防本部、総合体育館、グラウンド、公園が連携しながら、シビックエリアを形成し、市民の利便性の向上、来街機会の誘発を図ります。


b、『住宅系土地利用の方針』


   子育て世代から高齢者まで、誰もが安全に、安心して暮らせる、都市型住宅や戸建住宅等、多様な住宅の導入を図ります。


c、『業務系土地利用の方針』


   神奈川県のヘルスケア・ニューフロンティア政策との連携を図り、ウェルネスに資する機能の導入と、ウェルネスサイクルの充実を図ります。


d、『商業系土地利用の方針』


   シンボル道路等に面する沿道商業・業務施設との連携や鎌倉の特性に配慮した、質の高い商業施設の導入を図ります。


e、『工業系土地利用の方針』

 

   工場や市場を営んでいる権利者については、従前の機能や権利者の意向を踏まえ配慮します。


f、『公園・緑地・調節池/ウォーキングコース・散策路・眺望ポイントの方針』


   公園・緑地は、隣接する本庁舎、消防本部等と連携し、災害時の避難場所としての利用を可能にすることで、防災力の向上を図ります。


  調節池は、一定規模のものを配置し、大雨や台風時の冠水等への対応を図ります。

   地域内を周遊するウォーキングコースや、深沢の歴史資産を活用した散策路等の整備を図り、ウォーカブルなまちの実現を図ります。

 

g、『シンボル道路の方針』


   骨格となる道路として、地域内の交通を円滑に処理するための整備を図ります。


h、『安心・安全の方針』


  本庁舎、消防本部を中心に、総合体育館、公園というと連携することにより、防災拠点として機能の強化を図ります。」

 

   


     以上の素案に対して、市民からパブリックコメントを募集しているのですが、何とも薄っぺらい素案だと思わず苦笑してしまいます。


    私たちは、今年(2019年)7月5日付けで、平成29年度村岡・深沢地区まちづくり実現化方策検討調査業務委託費の返還を松尾崇鎌倉市長に求め、横浜地裁に訴えを起こしました。


    平成29年度村岡・深沢地区まちづくり実現化方策検討調査業務は、平成30年3月に調査報告書(委託成果品)をまとめています。この調査報告書を参考に、平成30年度深沢地区まちづくり方針実現化検討業務が委託され(令和元年度も継続)、深沢地区まちづくり方針実現化検討委員会への運営補助や資料提供が行われてきました。冒頭の素案は、第5回の委員会から出された土地利用計画に向けての先行答申を受けて発表されたものです。


   ですから、前記の村岡沢地区まちづくり実現化方策検討調査業務委託で出された調査報告書の問題点を検証することは、深沢地域整備事業への異議申し立てに結びつくと言えるはずです。裁判は、まさにその問題点を問うたものに他なりません。ここで裁判の中味を紹介してみましょう。


🔘原告


   私を含めた鎌倉市民の3人が原告に名前を連ねています。「かまくら市民オンブズマン」の海部幸造弁護士が、原告本人でもあり原告らの代理人もつとめています。

 

🔘請求の趣旨


「〇被告鎌倉市長が、平成30年5月18日、昭和株式会社に対する平成29年度村岡・深沢地区まちづくり実現化方策検討調査業務委託料の支払いに際し、21,575,000円を支払い、その全部あるいは一部の減額請求あるいは調査の追加請求することを怠った行為が、違法であることを確認する。」


🔘予備的請求


  上記の請求が認められない場合は、予備的に、下記のように請求する。


「〇被告鎌倉市長が、平成30年5月18日、昭和株式会社に対して平成29年度村岡・深沢地区まちづくり実現化方策検討調査業務委託料として支払った21,575,000円の不当利得返還請求を怠る行為が、違法であることを確認する。」

 

🔘被告側の答弁


   本年10月28日に開かれた第1回の口頭弁論にあわせて被告側は、答弁書を出してきました。内容は次のようなものでした。


「〇被告においては、金21,575,160円(被告側は細かく160円単位まで支出額を記載)の支出をした事実はあるが、その原因となった業務委託契約について、解除・取り消しをしたことはなく、また、契約の無効事由となる事実は主張されていない。従って、原告らが財産管理業務を主張する不当利得返還請求権自体が存在しないことは、明らかというべきである。」


🔘原告側の反論


   この答弁書に対して、原告らは、12月4日付けで準備書面(1)を提出しました。内容は次のとおりです。


「〇不当利得返還請求権について


1、本件委託成果品である調査報告書は極めて不十分な物であり、なされるべき検討・調査がなされていない、委託契約の本旨に沿わない不完全な、いわゆる不完全履行である。
   市は、この不完全な履行に対して、行うべき対応をせず、委託金の全額を支払ってしまった。

 

2、市は、この不完全な給付に対して、契約を解除し、支払ってしまった委託金額の返還を求めることが出来るのであって、それを行使しないことは明らかな違法である。」

 

🔘不完全な履行とは?


   訴状に列記した不完全な履行を並べてみましょう。

 


「〇地質調査、防災に関わる調査の不十分さ


・深沢地区については、ボーリング調査を一切行っていません。


・本件調査報告書が言うような高層建築物を建築するには、30m前後程度の支持杭の打ち込みが必要です。


・行政施設用地のかなりの部分が液状化の危険が高いにもかかわらず、液状化の可能性がないとしています。


・現地は、境川・柏尾川水系の洪水浸水が想定され、深沢地区全体が水深0.5m〜3.0mの浸水が、場所によっては3.0m〜5.0mの浸水が想定されています。しかるに、本件調査報告書は、こうした地盤についての検討が極めて不十分であり、洪水浸水等についての検討は全くされていません。

 

〇シンボル道路、柏尾川にかかる橋について


   業務委託仕様書に基づけば、湘南深沢駅から(仮称)村岡新駅までのシンボル道路および柏尾に架ける橋についての検討が不可欠です。しかるに、本件調査は、そうした調査検討が全く行われず、従って事業費の概算見積もりなども全く存在していません。


〇(仮称)村岡新駅利用者数および費用便益の計算


・本件調査報告書が根拠とした平成23年業務委託の新駅利用者数のモデル試算がでたらめです。


・新駅潜在需要率、新駅利用乗降客数の数字が誤りです。


・利用者数の数字は計算を誤った過大なものとなっています。


・およそ新駅を利用するとは思えない利用客まで、過大にカウントされています。本件調査報告書の新駅利用者数は、過大な希望的憶測の域を出ないものと言わざるを得ません。


〇土壌汚染の対応


・行政施設用地に隣接する徳州会スポーツセンターの下の土は、土壌汚染対策が未処理です。


・行政施設用地の土壌汚染対策処理を実施している際に、大気中から水銀が基準値を超える高濃度で検出されましたが、原因は特定されていません。


・本件調査報告書にはこの土壌汚染について全く触れておらず、この点でも不備があると言わざるを得ません。」

 

 

   以上、裁判で争っている違法性を問いかけた中味を並べてみました。


   この12月11日(水)午後1時30分から、横浜地裁502法廷で、第2回目の口頭弁論が行われます。


   深沢地域整備事業の今後はどうなるのか、私たちは、裁判の行方とともに、熱い関心を抱いて見守っていきたいと考えています。冒頭の素案にも、多くの市民からパブリックコメントが寄せられることを期待したいと思います。

 

 

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