村岡新駅は本当に必要か? 財政のバランスを欠く新駅予算に反対する

  • 2019.03.21 Thursday
  • 13:15

   藤沢駅前で先日、シール投票をやっていました。「東海道線の村岡新駅にあなたは賛成ですか、反対ですか」というのが、シール投票の内容でした。私もシールを貼りましたが、見たところ、圧倒的に「反対」票が多いことがわかりました。聞けば藤沢の市民団体がこのシール投票を実施したとのことでした。
   鎌倉でも駅頭でシール投票を実施すれば、「反対」が圧倒的に多い結果になると予想されます。ここで経緯をしるしてみます。


〇村岡新駅新設の経緯


   2018年12月27日、神奈川県、藤沢市、鎌倉市が「村岡新駅設置協議会」を設立、費用負担などで合意しました。
   費用負担は神奈川県が、総額160億円といわれる建設費の30%を負担、残り70%を藤沢市、鎌倉市が35%ずつ負担するというものです。
    協議会では、2019年度に新駅の概略設計に着手することに合意しました。また、都市計画決定は2021年度を目指しています。

   2019年1月18日、神奈川県知事、藤沢市長、鎌倉市長がJR東日本の本社を訪れ、「(1)村岡地区への新駅設置、(2)整備費用の一部負担、(3)工事期間や整備費用を示す概略設計への2019年度内の着手」の3点を要望しました。これに対し、JR東日本の深沢祐二社長は「要望事項については、協議会等の関係者と連携して対応してまいりたい」との談話を発表しました。


〇地方自治法違反の可能性


  新聞にも前記の動きは大きく報道されました。しかし、鎌倉市議会では、「協議会設立は全く議会として承認した覚えがない」として、一般質問で議員から疑義の声が出る騒ぎとなりました。


   地方自治法は第252条の2の2の一項で、「普通地方公共団体は、(中略)広域にわたる総合的な計画を共同して作成するため、協議により規約を定め、普通地方公共団体の協議会を設けることができる」と定めています。そして、同252条の2の2の三項で、「第一項の協議については、関係普通地方公共団体の議会の議決を経なければならない」と定めています。

   鎌倉市議会では全く議会で協議会の設立が議決されておらず、これが問題となったのです。同様に藤沢市でも、議会の議会を経ていないことが問題とされました。市長部局は「任意の団体です」と回答しました。神奈川県でも県議会の議決を経ていないことが明らかになっています。やはり任意の団体にすぎないのです。


   任意の団体が予算の負担割合について言及したり、JRに申し入れに首長が行ったりしているのですから、問題だと言わざるを得ません。

 

◎神奈川県の予算から新駅設置を考える


   神奈川県の財政は決して健全と言える状況にありません。


   2017年度末(平成29年度末)の神奈川県の県債現在高見込額は、3兆6919億2338万円にのぼります。これは、県民一人当たり40万2999円の負担額となります。これが県の借金の総額です。決して少ない額ではありません。
   財政が逼迫する中、村岡新駅設置に48億円も県が支出することは、私は無理があると考えています。


◎県立高校図書購入費の現実や県警交番削減の計画から考える

 

   神奈川県では、県立高校の図書購入に充てられる公費が全国でも異例の低さにあります。朝日新聞が本年3月12日付け紙面で報じています。それによると、文部科学省の2017年度地方教育費調査によれば、県内の県立高校(全日制)1校当たりの図書購入公費は年14万8000円。驚くべき低さです。横浜市立高校など県内の市立高校(全日制)は、1校当たりの図書購入公費が年150万8000円。都立高校(全日制)では、同図書購入公費が1校当たり109万5000円です。
    東海道線の新駅設置に48億円も負担するなら、こちらの予算にこそ回してほしいと考える県民は少なくないと言えるのではないでしょうか。


   神奈川県では、県警の予算も削減する動きが出ています。地域の安全をサポートする拠点となっている交番を県警では減らそうとしています。県警によれば現在472ある交番を、2020年度から10年かけて約400カ所に削減する再編基本計画をまとめたとのことです。理由は人員が足りないことと、予算不足の二つです。交番は安心・安全な生活を守る地域の要だけに、この削減計画は物議をかもしています。今後地域と話し合いを重ね、廃止する交番の選定を行いたいと県警は発表していますが、東海道線の新駅設置の予算があるならば、こちらにぜひ回してほしいと願う県民は多いのではないでしょうか。

 

◎新駅設置は利権がらみ


   東海道線の村岡新駅設置の予定場所は、武田薬品工業(株)の湘南研究所のすぐ前です。もともと武田薬品工業の研究所誘致の段階から新設設置の構想があり、県が動いてきたという経緯があります。武田薬品工業は2018年4月から湘南研究所を「湘南ヘルスイノベーションパーク」と命名し、大学の研究所やベンチャー企業に施設を貸与する新事業を立ち上げています。「コラボレーション、いわゆるオープンイノベーションによって湘南の地から世界をリードする最先端の研究が生まれることを期待しています。産官学が協力して創造する場所を目指します」と武田薬品工業はコメントしています。
    ここにはiPS細胞を研究する京大の研究者も施設利用を申し出ていると聞きます。


   また、武田薬品工業の鎌倉側の空き地約3万平方メートルを隣接する湘南鎌倉病院が昨年12月購入し、病院の増築工事を2019年7月から進める予定でいます。鎌倉市議会には先に「村岡新駅の新設を一刻も早く進めることを求める陳情」が湘南鎌倉病院から提出されてもいます。


    こう見てくると村岡新駅新設は、利権がらみであることがよくわかります。


  私は、住民合意のない新駅新設は凍結したいと考えています。
   神奈川県議会で県民投票条例の新設を議員提案し、県民投票で新設設置に「反対」か「賛成」か聞くことも提案したいと思います。

   県会議員の議席を獲得できたなら、民意をきちんと踏まえて予算を執行するか判断する必要がある、そう強く主張するつもりでいます。

 

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2019 >>

フリースペース


岩田かおる

コメントについて

投稿はできる限りそのまま掲載しています。内容はブログ主宰者が判断しますが、誹謗中傷はないようお願いいたします。

selected entries

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM