ロードプライシング(車に課金を課すること)は渋滞対策の切り札になるか?

  • 2017.10.07 Saturday
  • 23:02

   先に国土交通省の道路局は、「ICT(情報通信技術)・AI(人口知能)を活用したエリア観光渋滞対策の実験・実装を図る『観光交通イノベーション地域』」を発表した。イノベーションとは、技術革新の意味で、つまり新しい試みを導入することと捉えてよい。以下に同省のプレスリリースから引用してみたい。


○国土交通省が選定したのは、全国4地域である。


(1)ICT(情報通信技術)による人や車の動向把握等の実証実験に着手するエリア観光渋滞対策の実験実施地域


1、鎌倉市

2、京都市

 

(2)今後の取組方針や実験計画等の更なる具体化に向けて検討を行う地域


1、軽井沢町

2、神戸市


    これは8月に公募を行い、応募のあった地域から選定したとのこと。いずれも観光客の入り込みで市民生活に支障が少なからず出ている地域と言える。今後、国土交通省では、警察や観光部局とも連携しながら、エリア(ロード)プライシング(交通渋滞の改善を目的に、一定の区域内を走行する自動車に課金すること)を含む交通需要制御などのエリア観光渋滞対策に取り組んでいくこととする、と述べている。


   鎌倉市では、国土交通省の選定に入ったことを受け、交通計画課が以下のプレスリリースを配布した。


(1)経過


   鎌倉市では過去、交通計画検討委員会において、交通需要を管理する施策としてロードプライシングの検討に取り組んできた。そのため国土交通省の「観光交通イノベーション地域」に応募した。


(2)鎌倉市が提案した内容

 

   ロードプライシングの検討に必要なデータ収集を目的に、国土交通省に対し、次の実験を提案した。


1、交通流入台数の把握

2、通過交通量の把握

3、ETC装着車両の比率の確認

4、映像による混雑状況の把握
など。

 

(3)今後

 

    国土交通省の地方整備局に実験協議会が設置され、この協議会を主体に実証実験の運営・評価が行われる。鎌倉市は既往調査の提供等を行う。

 

    以上が「観光交通イノベーション地域」に選定された事実経過である。

 

    要するに、鎌倉市がエリア(ロード)プライシングのモデル地区として、社会実験を今後行うことになったと解釈してよい。まず、国土交通省で基本データの収集をすることになったという次第である。

 

    松尾崇鎌倉市長は、市長選挙に向けて出した討議資料(『温故知新』10月号)に、「渋滞解消、安心して歩ける街を目指して、市民の負担がない『ロードプライシング』を実現します」と書いている。

    しかし、これは選挙向けの政策と言える。それというのも、「市民の負担がない」との表現が違うからである。

 

    鎌倉市交通計画検討委員会が、本年3月に発表した「鎌倉地域の地区交通計画策定に向けた中間とりまとめ」によれば、次のような課金の仕組みを検討している。

 

○車両情報認識装置の設置

 

    料金所を設ける形だと渋滞にさらに拍車がかかるので、道路の上にバーを設置し、車両情報認識装置を置く。ETC対応車がここを通ると車両情報認識装置が市民の車か来訪者の車かを判別。バーにつけた路側通信機により課金する。来訪者は公共交通利用時に課金の一部を戻す形とし、市民からは来訪者に課す料金の1割程度を課金する。


○ETC非対応車


   事前又は移動途中に決済する。これができない場合は、車両情報認識装置が通過した車の認識を行い、監視カメラでナンバーを撮影し、請求書を郵送する形とする。来訪者は課金記録から次回来訪時に公共交通利用時に課金の一部を戻す形とする。


○バーの場所


   小袋谷交差点、明石橋交差点、八雲神社前

 

    これが市の委員会の提案だが、市民の車にも1割とはいえ、課金するのは私には納得できない。例えばお年寄りを抱える家庭などは大変な負担だ。市では、土曜日、日曜日、祭日など年間120日程度を課金する日としているが、旧鎌倉市内から大船地区の病院などにお年寄りを車で土曜日に連れて行くと、自宅に戻る際に課金されてしまう。わが家では、月に何度となく大船地区の病院に年寄りを連れて行く。渋滞解消策なのはわかるが、市民には、例えば正月の通行手形のようなものを事前に発行して、課金しない方法をとるべきではなかろうか。

 

    私は市が提案するエリア(ロード)プライシング方式ではなく、長野県の上高地方式の渋滞解消策を提案したい。
    つまり、大船や横浜市栄区など郊外に広大な駐車場を確保し、来訪者はここに車を置いて公共交通で旧鎌倉市内に入ってもらう形にする、というやり方だ。つまりマイカーの入り込み規制をとるのである。これなら市民から課金しなくてすむ。

 

    市長選挙を前に是非この件について、政策論議をしたい、そう私は願っている。

コメント
私も岩田さんと同じく、年寄りを介護しています。旧市街から大船の病院に毎週連れていくのが、日課です。土曜日も多く、その度課金をとられたらたまりません。この声は多くの市民共通のものだと思います。
  • 年寄り介護家庭
  • 2017/10/08 6:42 PM
岩田さんのブログ毎回実にいい。まさに闘う市長という感じがして実にこころ強い。課金制度も市民にも負担させるならだめだ。岩田さんの言うように上高地方式でやるべきだと思う。
  • 闘う市長頑張って
  • 2017/10/10 7:48 PM
日常的に道路を利用する市民への課金は言語道断ですが、ロードプライシングも計画次第で大きな効果が得られます。
パーク&ライド(郊外の駐車場を利用してもらう)方式と相反する施策ではないので、様々な施策を総合的に行うと相乗効果を得られると思います。
  • 鎌倉市民
  • 2017/10/14 10:46 PM
コメントする








    

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2019 >>

フリースペース


岩田かおる

コメントについて

投稿はできる限りそのまま掲載しています。内容はブログ主宰者が判断しますが、誹謗中傷はないようお願いいたします。

selected entries

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM