鎌倉市職員の人件費と人事問題を考える

  • 2017.10.11 Wednesday
  • 16:58

   鎌倉市では職員の待遇や人事の問題をめぐり、議会や市民の間でさまざまな議論がされてきた。私自身、8年前の松尾崇市長誕生直後には長嶋竜弘市議の呼びかけで「市民行革チーム」に参加し、職員の手当てに関してヒヤリングをしたり、市長に提言を出す活動を行った記憶がある。その後、紆余曲折があったので、ここで改めて、職員の給与と人事問題について私なりに検証してみたい。


(1)職員の数について


    鎌倉市職員の総数は、臨時職員並びに非常勤職員を除いて1354人にのぼる(平成29年4月1日現在)。これは平成29年2月に出された第4次職員数適正化計画 で削減する方針が示されている。同計画は平成28年度を基準年とし、その年度の 基準職員数1324人を平成38年4月1日までに109人削減する目標を掲げている。

     私はこれは評価したい。しかし、具体的な削減方法が提示されていないのが気にかかる。私は新規採用を削 減する方法もとる必要があると考える。ところが、鎌倉市では、一般職で見ると、平成27年度の採用が54人、28年が71人と採用数を増やしている傾向にある。もちろん優秀な若い職員を雇う必要性を否定するものではない。ただし、採用数 を増やしていたのでは、職員数適正化計画の数値目標は達成できないのではなかろうか。ただし退職者数を補充する必要があるので一概に言えないのも確かだ。鎌倉市の55歳から60歳の職員数は215人(平成29年4月1日現在)。この人たちが退職する数を入れるなら自然減少になる計算だ。

 

(2)給与水準

 

    鎌倉市の職員の一人あたりの給与費は、平成28年度687万6000円で、平成27 年度は700万3000円である。これには任期付短時間勤務職員(再任用短時間勤務職員)の給与費も含めているので、定年前の一般職員の給与費はもっと高くなるはずだ。かつては日本一高額の給与と批判されたこともあったが、それは10年以上前のことで、現在は県内でもほどほどの位置にあるという。しかし、景気浮揚 の影響を受けていない民間の中小企業の給与水準に比較すれば、恵まれているのは間違いない。また、鎌倉市では年間歳出のかなりを職員の人件費が占めていることも考える必要がある。平成28年度で見ると、歳出の20.7%を職員の人件費が占めている。他市と比較して高いかは検証する必要がある。


(3)いわゆる「わたり」について

 

    鎌倉市では一般行政職の区分を1〜8等級に区分している。つまり、事務職員の1級から部長職の8級まで等級を置いているのである。病気等で長期休職しない 限り、職員は自動的に級があがる仕組みだ。ところが市役所の機構上、部長(8 級)や次長(7級)課長(6級)の数は限られている。市役所では長い間、部や課がなくても待遇だけ等級が同じ職員を温存する措置をとっていた。つまり給与水準だけ部長や次長だが、実際には担当部がないという悪い制度を温存してきたのだ。これが「わたり」と呼ばれる悪弊である。平成26年10月に松尾市長は、これを段階的に廃止する政策を発表した。しかし、市議会から「段階的な廃止では甘 い。すぐ撤廃すべき」と段階的廃止案が否決され、一気に廃止されることになった。つまり、4級・5級(主査)→3級に、5級(係長職)→4級に、6級→5級に、7級 →6級に、8級(次長職)→7級に……といった具合に級の切り替えを実際したのだ。これにより、架空の部課長のポストはなくなり、等級も本来の肩書きと合致したものとなった。この改革は評価したい。総務省通達で廃止を指示されていた経緯もある。

 

(4)手当の見直し


     冒頭に紹介した「市民行革チーム」で私たちは、鎌倉市職員の諸手当の見直しを提言したのだが、あれからだいぶ時がたつにもかかわらず、ちょっとおかしな諸手当が市にはまだ温存されている。

 

a、地域手当


    公務員の労働環境は都市部と山間部の僻地ではかなりことなる。給与格差も都市部と地方ではかなり広がっている。この隙間を埋めるために発案されたのが、地域手当である。給与水準が低い地方(僻地)と高い都市部の格差をなくすために手当を出すことにしたのである。つまり、水準が低い地方(僻地)に引き ずられ、給与が下がる弊害を阻止するために、手当を支給することにしたのである。これが地域手当である。鎌倉市の場合、平成29年4月1日現在、支給職員一人当たり平均56万6482円が支払われている(28年度決算)。この手当は民間企業では考えられない手当と言える。見直しの時期に来ているとは言えないか。


b、住居手当


     鎌倉市では、賃貸住宅に居住する職員に対して、市内居住者で月額3万100 円、市外居住者で月額2万8000円を支給している。問題は自己の住居を所有する職員にも住居手当を支給していること。市内居住者には月額1万5300円を支給している。市外居住者に関しては、平成26年10月居住前の職員には月額9800円を支給し、それ以降居住は0円とする経過措置をとっている。ちなみに国家公務員は、持ち家の職員に住居手当は支給していない。鎌倉市も国家公務員同様に廃止すべきではなかろうか。


(5)長期休暇

 

    鎌倉市職員の問題としては、メンタル面に問題を抱え、長期休暇をしている 職員が多いことも忘れてならない。平成28年度、メンタル面の疾病で90日以上の休暇をとっている職員は31名いる。これは神奈川県内の自治体で第2位の高さだ。市長の職員管理に問題があるのではないか、そう考えざるを得ない。

 

     鎌倉市の職員の待遇並びに人事に関して、以上ざっと見てきた。私は市長選挙を機会に是非この問題について各候補と議論したいと願っている。

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岩田かおる

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