住民投票で市議会の姿勢も改めて試されることに!?

  • 2018.06.28 Thursday
  • 13:12

    この6月27日(水曜日)午後2時30分から、鎌倉市議会の総務常任委員会が開かれました。いくつかの議題を経て、4時から「本庁舎等整備基本構想の検討状況について」が議題となりました。市役所移転問題が議題となったのです。

 

    私はじめ市民多数が傍聴する中で、かなり白熱した議論がなされました。4時15分過ぎからは委員会に松尾崇鎌倉市長、ならびに小磯一彦副市長も呼ばれ、理事者質疑が行われました。以下に議員の発言と市側の答弁を並べてみます。

 


○高野洋一市議

「まだ本庁舎整備計画の基本構想を検討している段階なのに、『広報かまくら』5月1日号は『本庁舎は深沢地域整備事業用地に移転します』と大きなタイトルで記事にしています。多くの市民が『もう決まってしまった』と思ってしまいました。市のHPも『深沢に移転します』と記載しています。この表現を訂正する気はないのでしょうか」

 

○公的不動産活用課関沢勝也課長

「2012年から策定委員会や市民ワークショップ等を通して検討を進め、さらに2015年からは公共施設再編計画の策定作業に具体的に入ってきました。2017年に公共施設再編計画策定委員会が『市庁舎は移転して整備すべき』との方向を打ち出しました。そして2018年3月に、公的不動産利活用推進委員会が移転先を深沢に決定しました。ですから、『広報かまくら』の表現は間違いではありません」

 

○高野市議

「深沢に移転する方向で本年度に基本構想を検討することになっています。決まったと書いたのは絶対におかしいです。市民から今(住民投票をやろうといった)動きが出ているのは、市側のミスリードが招いたことではないですか。HPはいまだに『深沢に移転します』と記載しています。これだけでも訂正する気はないのですか」


○公的不動産活用課長

「訂正する必要性は感じていません」

 

○高野市議

「市民への周知があまりに不足しているのではないですか。だからいきなり『深沢に移転します』と書かれて、今、市を二分する騒ぎになっています。将来に大変なしこりを残すことになりました」

 

○公的不動産活用課長

「5月19日には、無作為抽出した市民約30名を集めての市民対話も実施しました。そこでは、深沢に移転することに一定の理解を示す声も少なからず出たと認識しています」

 

○高野市議


「それは違います。市民対話は紛糾したと聞いています。理解を示す声がかなりあったというなら、議事録をここに出して下さい」

 

○公的不動産活用課長


「議事録は作成していません」

 

○高野市議

「市主催の公的な市民対話集会で、正式な議事録を作っていないとはあきれますね。市の会議は、すべて文書で議論を残すことに条例でなっています。法的にも問題です。自分たちに都合の悪い意見が多数出たので、議事録を残さなかったのではないですか。問題ですよ」

 

(こののち市長が入り、理事者質疑になりました。市議会では議員の要求があれば市長を委員会に呼べます。その場合、担当課への質疑のあと途中入室が通例です)


○高野市議

「『広報かまくら』が『深沢に移転します』と書いたことは問題ではないですか」

 

○松尾鎌倉市長

「何年も議論を重ねてきて、推進委員会で今年3月に深沢に移転すると決定した。だから手続きは踏んでいます。また、市長選挙の大きな争点にもなりました。私が信任されたのだから、市民も移転を支持していると考えます」

 

○高野市議

「市長選挙は必ずしも、市庁舎を深沢に移転するとの政策で選んだわけではありません。いろんなしがらみの中で票を投じた有権者が少なくありません。市民の理解を得ているというのは詭弁です。市役所を市の中心から動かすのは、鎌倉の歴史や文化を変えることであり、これまでになかった大問題。こんなに安易に進めていいのでしょうか。将来に禍根を残すのは間違いないと考えます」

 

○飯野眞毅市議

「地方自治法第4条2項はご存知ですか。『(地方公共団体の)事務所の位置を定め又はこれを変更するに当たっては、住民の利用に最も便利であるように、交通の事情、他の官公署との関係等について適当な考慮を払わなければならない』と規定しています。深沢地域がこの規定に合致していると考えていますか」

 

○公的不動産活用課長


「モノレールの深沢駅前であり、バス便もあります。法令にも合った場所と考えます」

 

○飯野市議

「モノレールだけでは輸送力に不安があります。JR東海道線の新駅を早急に整備すべきではないでしょうか」


(ここで市長との理事者質疑となりました)

○松尾鎌倉市長

「現状のモノレールとバス便の交通体系で、地方自治法4条2項の規定を十分クリアしていると考えます」


○飯野市議

「地元では村岡新駅への期待が高い。駅が出来て市庁舎も来れば、深沢の発展につながるとの声がたくさんあります。ぜひ、新駅の整備をセットで進めてもらいたいです」


○松尾市長

「村岡新駅については、さらに甚大な費用負担が発生する問題でもあり、そこらへんをどうクリアできるかを見極め、市民の理解も得て、進めていきたいと思っています」

 

○長嶋竜弘市議


「圧倒的多数の市民は、深沢移転に反対です。『広報かまくら』に先走って移転決定と記載したことは問題であり、きちんと謝罪した方がいいのではないですか。その気はあるのか聞きたいです」


○公的不動産活用課長

「間違いだとは考えていません。手続きを踏んでやってきたことです」


○長嶋市議

「この6月23日に開かれた『市役所移転を問う住民投票の会』の発足集会には、雨の中にもかかわらず80人の市民が集まりました。私も出席したから熱い雰囲気をじかに感じました。これは市政を揺るがす大変なことが起きたと見れます。集会では厳しい意見がいっぱい出ました。3000名の署名は必ず集まると確信しました。そうなると投票という事態になり、議会にもボールが投げられます。こうした住民の動きをどう見ますか」


○公的不動産活用課長

「承知しています。市民対話や拡張集会などを通して、理解を得るよう努めていきたいと考えています」

 

(ここで市長との理事者質疑となりました)


○長嶋市議

「ごみの有料化の時と同じく、市内各地できめの細かい市民対話集会を重ねて、広範な意見を集約する手続きが必要なのに、なぜ市庁舎移転ではそれをしないのですか」

 

○松尾市長

「無作為抽出の市民対話集会は、それなりに手続きを踏んだものです。市民の意見集約になっていると考えます。選挙でもこの件を政策で闘わせて、民意を聞いてきました」


○長嶋市議

「住民投票を進める会の皆さんは、今後市長にも出てもらい、討論したいと言っています。そうした働きかけがあった場合、市長は出る気がありますか」


○松尾市長

「日程調整はしなければなりませんが、できる限り出席したいと考えています」

 

   以上が市議会の総務常任委員会での主なやり取りの再録です。市長とのやり取りの部分は、各議員ごとに入室した表現になっていますが、実際は担当課とのやり取りのあと、市長が入室し、各議員とのやり取りがそこで行われたものです。議員ごとに分けて書いたのは、表現上の問題であることを断っておきます。

 

    私たちの住民投票の会の動きが、市議会でも大きな話題になったことがわかります。長嶋市議の質問に、松尾市長は住民投票の会から要請があれば、「討議に出席する」と公の場で答えています。私たちとしては、市長の約束を生かす意味でも、7月か8月のしかるべき時期に、ぜひ市長との対話集会を開催したいと考えています。


    「新駅を作るよう予算措置を講じてほしい」との質問も出ました。村岡新駅には155億円という甚大な予算が必要と言われています。市庁舎移転だけでも180億円の予算がかかります。市民の負担は大変なものになります。鎌倉市の財政が厳しいものになるのは明らかです。

 

   総務常任委員会では、このあと閉会中審査に関しての協議を行い、市庁舎移転を論点整理し、9月まで議論を重ねていくことになりました。特別委員会を設置してはどうかとの意見もありましたが、住民投票の動きもある中で時期尚早だとして、とりあえず総務常任委員会として議論していくことになりました。


   気になったのは、山田直人市議が「移転後の本庁舎の跡地をどう活用するかについて、委員会として煮詰めておく必要がある」と再三発言したことでした。移転を前提の議論を委員会として進める趣旨の発言です。「移転には賛成、反対様々な意見がある。委員会の記録には両論併記で行くべき」との意見も何人かの議員から出ました。

 

     市庁舎移転に関しては、位置を定める条例の決議や予算案の決議等が市議会にこれから求められます。何よりも、私たちが提出する市役所移転を問う住民投票条例案の審議も、この秋に市議会に求める運びになるわけですから、移転ありきで議論を進めるのは待っていただきたいと思います。


    長嶋市議も「住民投票の結果によっては市長の進退問題になる」と語っており、この分析は正しいと言えるはずです。
    市議会を傍聴して、住民投票を進める市民の動きは、議員一人一人にとって市民の側に立つのか、それとも理事者の側に立つのか、大きな踏み絵になるということを、改めて実感させられた次第です。

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